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夜景撮影.com トップ > 第二章 デジタルカメラと機材の選び方 > 夜景撮影用レンズの基礎知識と選び方



夜景撮影用レンズの基礎知識と選び方

 レンズが別売となっているデジタル一眼レフの場合、どのようなレンズを使うか考慮する必要があります。夜景撮影で最も多く使われるのは広角ズームレンズで、本体とセットになっているレンズはほとんどが広角ズームレンズとなっています。レンズキットで購入したレンズだけを使うユーザーははあまり意識する必要はありませんが、ここではレンズの基本的な知識と夜景撮影を意識したレンズの選び方を説明します。


 [ レンズの種類 ]


 主に広角・標準・望遠の3種類に分類されており、夜景撮影には広角ズームが最適です。


[ 広角レンズ ]
 広い範囲(角度)を撮影することができるレンズ。夜景撮影においては広角レンズの使用頻度が極めて高く、焦点距離(倍率)を一定の範囲内で変えられる広角ズームレンズ1本があれば、ほとんどの撮影に対応できる。デジタル一眼レフには様々な広角レンズが発売されているが、コンパクトデジカメは一番広い範囲は35mm程度が主流で、やや物足りない感じがある。これからコンパクトデジカメを買うのであればできれば28mm対応が欲しいところだ。

レンズメーカーSIGMAから発売されている広角ズームレンズ「18-50mm F3.5-5.6 DC」。APS-C相当のデジカメに装着すると焦点距離がおよそ「29.2-80mm」となり、一般的なカメラ(35mm)よりも広い範囲を写すことができる。

[ 標準レンズ ]
 一般的に焦点距離が50mmのレンズのことを指す。この数値よりも小さいものが広角レンズ、大きいものが望遠レンズと呼ばれる。APSサイズのデジタル一眼レフに50mmのレンズを装着すると80mm相当になるので注意が必要。そのため、レンズメーカー大手のシグマからはデジタル専用に30mmのレンズが発売されている。

[ 望遠レンズ ]
 厳密に言えば焦点距離が50mm以上は望遠レンズとされるが、一般的には200mmや300mmのレンズのことを指す。夜景撮影では望遠レンズの使用頻度は低く滅多に使うことは無いが、花火撮影では欠かせない存在だ。

レンズメーカーSIGMAから発売されている標準〜望遠レンズ「28-300mm F3.5-5.6 MACRO」。APS-C相当のデジカメに装着すると焦点距離がおよそ「44.7-480mm」となり、標準〜望遠まで幅広い範囲を写すことができる。夜景撮影では使用頻度は少ないが、花火撮影や夜景の一部をクローズアップして写す時には欠かせないレンズ。(現在発売されているレンズは28-300mm F3.5-5.6 DC MACROとなっています)

[ 単焦点レンズ ]
 一言で言うと「ズームができないレンズ」のこと。単焦点レンズは比較的明るいレンズが多く、ズームレンズよりも画質が良いとされている。単焦点レンズは焦点距離ごとに本数を揃えるとコストがかさみ、荷物も多くなってしまうので、夜景撮影には広角ズームレンズ一本で対応する人が多い。

[ ズームレンズ ]
 単焦点レンズと対照的で焦点距離を変える(ズームできる)ことができるレンズのこと。コンパクトデジカメはほとんどがズームレンズとなっているが、デジタル一眼レフ用にはズームレンズと単焦点レンズの両方が発売されている。ズームレンズにも広角・標準・望遠等の種類が有り、夜景撮影に最も多く使われているのは広角ズームレンズだ。一般的には単焦点レンズに比べると歪曲収差が目立つと言われているので、パノラマ撮影には向かないかもしれない。

[ マクロレンズ ]
 接写に強いレンズのことで、一般的なレンズよりも被写体に近づいて写真を撮ることができる。イルミネーションを間近で撮る時などには活用できるが、夜景撮影だけに限定すれば使用頻度はそれほど高くないだろう。


 [ レンズの基本用語 ]

 デジタル一眼レフに慣れていない方はレンズのカタログを見ても用語が難しすぎてわからないと思います。ここではキヤノン・シグマレンズを中心に最低限抑えておきたい用語を解説します。
 
[ レンズマウント ]
 レンズを取り付ける部分の規格のことで、CANONであればEFマウント、NikonであればFマウント等、それぞれメーカーごとに名称がつけられている。レンズマウントの異なるレンズは取り付けができず、同じメーカーのカメラ・レンズであっても絶対に取り付けられるわけではない。

 例えばCANONであれば現在の主流はEFマウントとEF-Sマウントの2種類があり、EF-Sは「EOS 20D」「EOS 30D」「EOS 40D」「EOS KISS D」「EOS KISS DN」「EOS KISS DX」等以外には取り付けができず、同じAPS-Cサイズの「EOS 10D」には取り付けができない。レンズの購入時にはマウントをしっかり確認する必要がある。

[ レンズ構成 ]
 交換用レンズの構成は「○群○枚」と表記されており、同じ働きを持つレンズをひとまとめにして群と呼んでいる。例えば全6枚のレンズの内、3枚だけを一組の群とすると呼び方は「4群6枚」となる。

[ 撮影距離範囲 ]
 レンズのカタログに「0.28mm〜」と記載されているが、被写体から何mm以上離れれば撮影できるかを意味する。夜景撮影ではあまり気にする必要は無いが、イルミネーション等をアップで撮る時は重要になるので最短距離の短いレンズを選ぼう。

[ 被写界深度 ]
 被写体にピントを合わせたときに、被写体の前後の画像として鮮明に撮影できる範囲。絞り値を上げた方がピントの合う範囲が広がり、全体をシャープに写すことができる。遠景撮影の場合は絞り値を大きめ(8以上)にすることが多い。
 
[ フィルター径 ]
 フィルターを取り付ける部分のサイズを表し、レンズにフィルターを取り付ける時はサイズを確認することが重要だ。ちなみに径が大きくなるほど、フィルターの値段も高くなる傾向がある。一般的に多いサイズは「58mm」「67mm」「77mm」等がある。

[ 焦点距離 ]
 レンズを通った光が一点に集中する点(焦点)までの距離のこと。交換レンズに(18-50mm)等と書かれているが、これが焦点距離であり、数値が小さいレンズ程、広い範囲を写すことができる。夜景撮影には広角レンズの使用頻度が圧倒的に高く、28mm前後の焦点距離は最も良く使う。展望室からの夜景は上下の視界が広いため、20mm前後の焦点距離が最も好ましいと言えるだろう。

[ 非球面レンズ ]
 レンズには球面タイプ・非球面タイプが有り、様々な収差を抑えるために使われるレンズで一般的な球面レンズと形状も異なる。

[ F値(絞り値) ]
 レンズに入ってくる光の量を調整する機構のことで、別名「F値」とも言う。この値が小さいレンズほど明るくなる。デジタル一眼レフ用のレンズはこのF値が重要視されるが、「夜景撮影=明るいレンズが良い」という図式は必ずしも成り立たない。

[ 手ぶれ補正 ]
 一部のレンズで採用されている機能で、手持ち撮影時の手ぶれをある程度抑えることができる。
三脚の使えない場所では非常に便利な機能で、イルミネーション等の近景であれば手持ちでも綺麗に撮れるだろう。

手ブレ補正機構搭載の入門者向けレンズ「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS」


[ 超音波モーター ]
 CANONレンズでは「USM」、SIGMAレンズでは「HSM」と呼ばれているが、レンズの駆動用モーター(AFのピント合わせ)の仕組みを意味し、これらの機能が搭載されているレンズはピント合わせがスムーズかつ高速で行える。初心者向けデジタル一眼レフのセットレンズには搭載されていないことが多いが、MFを多様する夜景撮影では搭載されていなくてもそれほど困らないだろう。


 [ レンズのメーカー ]


 レンズは純正品・サードパーティ品に区別されますが、特徴の違いを抑えておきましょう。


 キットレンズだけを使い続けるユーザーはあまり意識する機会はありませんが、交換レンズはCANON・Nikon等の純正品とSIGMA・TAMRON・TOKINA等のサードパーティ品のどちらかに分類されます。一般的に純正品の方が高価で高性能なイメージを持たれていますが、サードパーティメーカーは1種類のレンズを各マウント(メーカー)ごとに開発するためレンズの生産本数が多くなり、結果的に1本あたりの販売価格は安くなります。この現象はレンズだけでなく、パソコン等の工業製品全般に言えることです。

 サードパーティメーカーから優れたレンズが発売されても、純正だけにこだわる人も多いです。その反面、経済性を考えてサードパーティメーカーのレンズを活用する人もいます。管理人の場合は純正レンズは2本だけ所有していて、残りのレンズはSIGMA製品を活用しています。CANONからはAPS-Cサイズのデジタル一眼レフ向けに「EF-S」という種類のレンズを発売しており、安価で高性能と言われていますが、2003年に発売された「EOS 10D」以前の機種には対応していません。SIGMAから発売されているAPS-Cサイズ専用のレンズはEF-S未対応の機種にも対応していることから、自然とSIGMA製品を活用する機会が増えました。

 管理人としてはメーカーにこだわりすぎるよりも、本当に欲しいと思ったレンズを必要に応じて購入していくのがベストだと思います。高価で高性能なレンズを使うことも大切ですが、それ以上に数多くの夜景写真を撮影し、経験を積み重ねていくことの方が重要だと思います。


 [ 夜景撮影にお勧めの広角ズームレンズ ]

 夜景撮影は基本的に広角ズームレンズ1本あれば、ほとんどのシチュエーションに対応できます。デジタル一眼レフ初心者はセットレンズでも十分ですが、より高画質・高性能を求めるのであれば他のレンズも試してみましょう。デジタル一眼レフようのレンズは広角ズームレンズ以外にも様々な種類があり、焦点距離の異なる単焦点レンズを複数揃え、被写体によって使い分けるユーザーもいるようです。他にもさらに広い範囲を写せる超広角ズームレンズもラインナップされており、多くの種類のレンズを揃えれば撮影のバリエーションもよりいっそう広がります。

※当サイトで紹介しているお勧めのレンズは全てCANONマウントになります。ご注意下さい。
 

CANON [ EF17-40mm F4L USM ]
価格:9万円前後 オススメ度:★★★★★

 夜景写真を撮るCANONユーザーが最も愛用している広角ズームレンズ。定価は12万円と高額だが、価格に見合った性能を持つレンズで末永く使える1本です。ゴーストやフレアに強いので光源の近くでも安心して夜景が撮れます。 このレンズはデジタル一眼レフ専用に作られたレンズではないので、フィルムカメラはもちろん、「EOS 5D」等のフルサイズにも装着できます。


(キヤノン専用レンズ)

SIGMA [ 18-50mm F2.8 EX DC MACRO ]
価格:5万円前後 オススメ度:★★★★★
 広角から望遠まで開放絞り値が2.8と明るく、イルミネーションの手持ち撮影等には力を発揮しそうです。画質は他の広角ズームレンズよりもシャープで、EF17-40mmとほぼ互角と言われています。「EF17-40mmを買う予算は無いが夜景撮影用に高画質なレンズが欲しい」という方にはこのレンズはお勧めです。



(APS-Cサイズのキヤノン専用レンズ)

CANON [ EF-S 17-85mm F4-5.6 IS USM ]
価格:7万円前後 オススメ度:★★★★

 「EOS 20D」とほぼ同時期に発売されたレンズで、EF17-40よりも望遠側が強く、手ぶれ補正機構も搭載されています。三脚の使えない場所や手持ちでのイルミネーション撮影に力を発揮しそうです。画質はEF17-40mmと比べると若干劣ってしまうようですが、夜景以外にも幅広く使えるレンズだと思います。(※EOS 10Dには装着不可)

(APS-Cサイズのキヤノン専用レンズ)

CANON [ EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS ]
価格:3万円前後 オススメ度:★★★★

 「EOS 40D」と同時に発表されたレンズで、3万円以内の低価格でありながら手ブレ補正機構に対応しています。画質は旧機種の「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 II USM」とほぼ同等とされており、USMは省かれていますが、イルミネーションや夕景を手持ちで撮影する頻度の多い方には特にお勧めできます。

(APS-Cサイズのキヤノン専用レンズ)


 [ 夜景撮影にお勧めの超広角ズームレンズ ]

SIGMA [ 10-20mm F4-5.6 EX DC /HSM ]
価格:6万円前後 オススメ度:★★★★
 APS-Cサイズのデジタル一眼レフ専用に開発された超広角レンズで、CANONの「EF-S 10-22mm F3.5-4.5USM」のライバル機種となります。価格はこちらの方がお手ごろで、一番の違いはEOS 10D等のEF-S未対応機種でも対応していることです。広角側の歪曲収差は目立ちますが、画質はシャープで夜景撮影にも合いそうです。



(APS-Cサイズのキヤノン専用レンズ)

CANON [ EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM ]
価格:7万円前後 オススメ度:★★★★ 
 APS-Cサイズのデジタル一眼専用レンズで、実際の画角は16-35mm相当になります。画角が他のレンズよりも圧倒的に広いので、展望室からの撮影や、高層ビルの撮影に力を発揮します。通常の広角ズームレンズでも夜景は撮れますが、より広い範囲を撮るのであればこのレンズがお勧めです。(※EOS 10Dには装着不可)



(APS-Cサイズのキヤノン専用レンズ)


 [ 夜景撮影にお勧めの望遠ズームレンズ ]

SIGMA [ 55-200mm F4-5.6 DC ]
価格:2万円前後 オススメ度:★★★★ 
 価格は他の望遠ズームレンズより安いわりに高画質と評判のレンズです。コントラストが高くシャープなので、夜景写真に特化するのであればかなり使えそうなレンズです。望遠の使用頻度が低い夜景撮影ですが、望遠撮影用はこのレンズ1本あれば十分かもしれません。


(APS-Cサイズのキヤノン専用レンズ)



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